既存のGSM(Global System for Mobile Communications、ヨーロッパ発の第2世代ディジタル携帯電話方式)ネットワークにパケット交換網を付加し、高速なデータ伝送(最大171.2kbps)を行う通信システム。2000年夏以降から試行サービスを開始し、2001年中に商用サービスがスタートする予定で開発が進められています。 GPRSのコア(中核)・ネットワーク部分は従来の回線交換ネットワークの上に構築され、新しいノードの (1)GGSN:Gateway GPRS Support Node。パケット・データ網との相互接続点 (2)SGSN:Serving GPRS Support Node。GPRSユーザーの位置管理、セキュリティ管理やアクセス制御を行うノード。回線交換網のMSC(移動交換局)などに相当する が追加されます。GGSNはインターネット、イントラネットとGPRSネットワークとのゲートウェイ機能、ローミングのために他のGPRSネットワークに接続する機能ももっています。SGSNは、管轄するサービス・エリア内のパケット・ルーティング機能をもっています。 GSMのアクセス・ネットワークは、BTS(Base Tranceiver Station、無線基地局)とBSC(Base Station Controller、無線基地局制御装置)で構成され、基本的には回線交換とパケット交換で共用されますが、パケットに特有な機能はPCU(Packet Control Unit、パケット制御装置)としてBSC内に追加されています。 無線方式は、パケット通信用チャネルが定義され、1スロット当たりの伝送能力はコーディング・スキーム(CS:Coding Scheme、ユーザー・データに誤り訂正コードを付与する方法)の違いによって4種類が定義されています。1スロット内でユーザー・データと誤り訂正コードを割り当てる比率が違い、ユーザー・データ・ビット・レート(ユーザー・データの伝送速度)が遅い方がより多くの誤り訂正コードを付与しているので、無線区間のビット誤りに強いと言えます。CS4(コーディング・スキーム4、21.4kbps)は、誤り訂正コードを付与しない方式であり、エラー(誤り)が発生したら再送する必要があります。 マルチスロット通信によって高速化が図られ、例えば、CS4で最大8スロット使用すると、21.4kbps×8スロット=171.2kbpsの伝送速度が得られます。しかし、1キャリアの全スロットを1ユーザーが占有することはサービスとしては現実的ではないため、実際には28kbps程度と考えられています。 また、GPRS端末は、 (1)クラスA:GSMとGPRSとの同時サービスが可能 (2)クラスB:GSMとGPRSのどちらか一方のサービスだけ (3)クラスC:GPRSだけのサービス の3種類のクラスが定義されています。